Campus(キャンパス)ノート

カテゴリ
文房具
発売年
1975年
メーカー
コクヨ
発売当時の価格
90円
1冊

どんな商品?

コクヨが1975年に発売した学生向けノートです。

発売当時あなたは何歳?

生まれ年の入力方法

1959年の「無線とじ」技術が生んだ土台

コクヨ公式によれば、キャンパスノートの土台になっているのは、1959年に製品化された「無線とじ」という製本方式です。それまで主流だった「糸とじ」とはまったく異なる方式で、糊を使ってページを綴じることで、開いたときにフラットになりやすく、かさばりにくいという特徴を持っていました。糸とじのノートは途中のページを破くと綴じ自体がバラけやすいのに対し、無線とじはページを1枚破いても崩れにくい、丈夫で機能的な構造だったといいます。

そもそも「大学ノート」とはどんな意味?

キャンパスノートの「Campus(キャンパス)」という名前は「大学」を連想させますが、日本語で普通のノートを指して「大学ノート」と呼ぶ習慣自体は、キャンパスノートよりずっと古くからありました。ある文具業界の解説によれば、明治17年(1884年)、現在の東京大学の前身にあたる東京帝国大学の近くにあった文具店が、イギリスから輸入した洋紙を手作業で綴じたノートを販売したところ人気を集め、これが日本における「大学ノート」の始まりとされています。呼び名の由来には諸説あり、大学の前で売られていたことから自然に「大学ノート」と呼ばれるようになった、という説が伝えられています。

つまり「大学ノート」はもともと、特定のブランド名ではなく、大学近くで売られていた西洋式ノートを指す一般的な呼び名でした。コクヨがこの土地に根づいた響きを踏まえたうえで、自社の製品に「Campus(大学)」という名を与えたのだとすれば、当時すでに広く定着していた「大学ノート」というイメージに、あえて乗る形でブランドを育てていった、とも見ることができます。

「大学」をイメージした名前と、1975年の全国発売

「Campus(キャンパス)」というブランド名自体は1965年、スパイラルとじの製品としてすでにデビューしていました。しかし、この無線とじの技術を重ね、改良を重ねた末に1975年、全国の学生向けに発売されたのが、現在まで続く無線とじ版のキャンパスノートです。商品名は「大学」をイメージして名付けられたといい、この1975年の版が大ヒットしたことで、今日「キャンパスノート」と聞いて多くの人が思い浮かべる姿が確立されたことになります。

時代に合わせて姿を変え続けた半世紀

発売後もキャンパスノートは改良を重ねてきました。1983年には表紙にA罫・B罫を示す英文字と罫線のイメージを入れ、中身を見なくても罫の種類が分かるよう工夫され、1991年にはビビッドな色使いとロゴを縦に配置した大胆なデザインへ変更されています。2000年には破れにくい新しいクロスが開発され、2011年には背クロスの表面加工が見直されてペンで書き込みやすくなるなど、環境への配慮と書き心地の両立を図る改良が続けられてきました。1冊のノートの見た目は同じでも、その中身は発売から半世紀の間、絶えず手を加えられてきたことになります。

発売当時の価格は、1冊90円

日本経済新聞の記事によれば、1975年に発売された無線とじ版のキャンパスノートは、1冊90円で売り出されたといいます。大阪万博から5年後、まだ「大学ノート」という呼び名のほうが馴染み深かった時代に、90円という価格から、今日まで続くロングセラー文具の歴史が始まったことになります。

あわせて読みたい特集記事

関連する懐かしい商品