レンタルレコードとは?お店でアルバムを借りてダビングした昭和・平成の記憶

公開日:2026年9月6日

レコード店で棚のアルバムを選ぶ人物のイメージ

※AIによるイメージ画像です

お小遣いを握りしめてレンタルレコード店に通い、気に入ったアルバムを借りてカセットテープにダビングした記憶はありませんか。

「借りて、コピーして聴く」というこの楽しみ方が、どのような仕組みで成り立っていたのかを、政府の法律資料をもとにたどります。

レンタルレコードとは?お店でLPレコードを借りられる仕組み

レンタルレコードは、その名の通り、お店に並んだLPレコードをお金を払って一定期間借りられるサービスです。買えば数千円するアルバムも、レンタルなら数百円程度で借りられたため、多くの人が気になる新譜やお気に入りのアーティストの作品を手軽に楽しむ手段として利用していました。

レンタルレコード店の棚からアルバムを選ぶ人物のイメージ
※当時の雰囲気をもとにAIで作成したイメージ画像です

借りて、カセットにダビングして聴く

レンタルレコード店で借りたレコードは、多くの場合、自宅でカセットテープに録音(ダビング)してから返却するというのが一般的な使い方でした。お気に入りの曲だけを集めたオリジナルのカセットを作ったり、友人同士でレコードを貸し借りしてダビングし合ったりと、レンタルレコードとカセットテープは切っても切れない関係にありました。

わずか3年で、店舗数が30店から1700店前後へ

日本書籍出版協会(JBPA)がまとめた協会年史でも、1980年(昭和55年)ごろから貸しレコード業が急成長を見せ、著作者・実演家・レコード製作者に大きな影響を及ぼしたことが記録されています。具体的な店舗数の推移については、Wikipediaの解説によれば、貸しレコード店の数は1980年の全国30店から、1981年6月には約500店、同年12月には1000店近くへ急増し、1983年頃には1700店前後にまで達したと伝えられています。店舗数そのものの一次資料には今回到達できなかったため断定はしませんが、3年ほどの間に急拡大したという大枠は、業界団体側の記録とも一致しています。

出典:日本書籍出版協会(JBPA)「協会年史」貸与権の章/Wikipedia「レンタルCD」

1983年、貸与権をめぐる法律が成立した

衆議院法制局の法律データベースによれば、レコードの貸与業が広がりを見せる中、1983年(昭和58年)12月2日、「商業用レコードの公衆への貸与に関する著作者等の権利に関する暫定措置法」(昭和58年法律第76号)が公布されました。

この法律は、著作者・実演家・レコード製作者が持つ、レコードの貸与に関する権利(貸与権(たいよけん))を保護するための暫定的な枠組みとして設けられたものです。

先ほどの店舗数の急増ぶりを踏まえると、レンタルレコードという商売が短期間で広く普及したことを受けて、権利者への対価をどう確保するかが、当時の大きな課題になっていたことがうかがえます。

出典:衆議院法制局「商業用レコードの公衆への貸与に関する著作者等の権利に関する暫定措置法」(昭和58年法律第76号)

1984年の著作権法改正で、貸与権として制度化

「Webで著作権法講義」の解説によれば、レコードを借りた側が自宅でダビング(複製)してしまうと、レコードを買う必要性そのものが薄れてしまうという問題への対応として、1984年の著作権法改正でレコード製作者・実演家の「貸与権」が新設されました。レコード貸与業の拡大に対して複製行為そのものを止めることは難しいため、貸与という行為に対して権利者が対価を得られる仕組みを整えることで対応した、という考え方です。

Wikipediaの解説によれば、この改正に先立つ1984年5月には、日本レコードレンタル商業組合と日本音楽著作権協会(JASRAC)の協議によって、権利者の許諾を受けたレンタルレコードが認められる運用が始まったと伝えられており、翌1985年1月に改正著作権法が施行されて、レンタルレコードという商売は暫定的な扱いから、制度として整った形へと移っていきました。

レコード会社側と貸しレコード業界側、双方の話し合いによって落ち着き先が見出されたという経緯は、新しい楽しみ方が急速に広まったときに、権利者との折り合いをどうつけていくかという課題が、当時すでに具体的な形で解決に向かっていたことを示しています。

出典:「Webで著作権法講義」貸与権の解説/Wikipedia「レンタルCD」

貸しレコード店は、1980年前後に登場したと伝えられている

日本で最初の貸しレコード店については、1980年前後に東京都内で開業した店が始まりだったと伝えられていますが、この点については企業公式・公的機関による直接の記録が確認できていないため、本ページでは具体的な店名や年を断定していません。いずれにせよ、1980年代前半にかけて、全国各地に貸しレコード店が急速に広がっていったことは間違いないでしょう。

レンタルCDへ、そして貸与そのものが下火に

1980年代後半以降、音楽メディアの主流がレコードからCDへ移っていくと、レンタル店で扱われる商品もレンタルCDへと置き換わっていきました。その後、音楽配信サービスの普及によって、お店へ行って音楽メディアを借りるという習慣自体が少しずつ姿を消していくことになります。

あわせて読みたい

同じ時代の音楽メディアの記憶はカセットテープの記憶や、ラジカセの時代でもあわせて確認できます。

家庭用ビデオの規格争いについてはVHS対ベータ戦争とは?でも確認できます。

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  • オリジナルのカセットを作ったことはありますか?

出典・注意事項

本ページは、衆議院法制局の法律データベースに掲載された「商業用レコードの公衆への貸与に関する著作者等の権利に関する暫定措置法」の原文、著作権法の専門解説サイト、日本書籍出版協会の協会年史、Wikipedia解説をもとに構成しています。個別の情報については、各見出しに出典を明記しています。日本最初の貸しレコード店に関する具体的な店名・年、店舗数の具体的な数値については、公的機関・企業公式の一次資料で直接確認できなかったため、断定を避けた表現にとどめています。

ページ内のイメージ画像はAIによるものであり、特定の人物・場所・年代を再現した実際の写真ではありません。