こま(独楽)の歴史|世界各地で親しまれてきたおもちゃの歩み

公開日:2026年9月6日

雪の残る路地で、木製のこまを回して遊ぶ子どもたちのイメージ。

※AIによるイメージ画像です

お正月、ひもを巻いたこまを勢いよく投げて回した記憶はありませんか。

「こま(独楽)」と呼ばれるこの遊びが、どのような歩みをたどり、お正月遊びとして定着していったのかを、日本玩具博物館の資料をもとにたどります。

こまとは?軸を中心に回転させて遊ぶ道具

こまは、軸を中心にして回転させて遊ぶ道具です。木や金属などさまざまな材料で作られ、手やひもを使って回す、たたいて回し続けるなど、地域や時代によって多様な遊び方が生まれてきました。

起源は世界各地に。単一の発祥地は特定されていない

こまの起源については、エジプト・インド・中国・東南アジアなど複数の地域で古くから存在していたとする説があり、単一の発祥地を特定する学術的な定説はないとされています。

物が転がり落ちる際にくるくると回転する様子に興味を持った古代の人々が、それぞれの土地で独自にこまを作り出したのではないかという見方もあり、世界各地で自然に生まれ育まれてきた遊びと考えられています。

日本玩具博物館の企画展「日本のコマ・世界のコマ」でも、日本のこまと世界各地のこまが、それぞれの文化を反映しながら独自に発展してきた様子が紹介されています。

出典:日本玩具博物館 企画展「日本のコマ・世界のコマ」

こまにひもを巻いて回そうとする子どもの手元のイメージ。
※当時の雰囲気をもとにAIで作成したイメージ画像です

地域ごとに異なる形、多彩なこまが伝わってきた

日本玩具博物館の企画展「日本のコマ・世界のコマ」によれば、日本国内でもこまの形や遊び方は地域によって大きく異なります。東北地方には雪の上で回すのに適した「ずぐりゴマ」があり、関東には「江戸ゴマ」、関西には「竹鳴りゴマ」、九州には相手のこまを弾き飛ばして競う「けんかゴマ」や「ちょんがけゴマ」など、それぞれの土地の気候や文化に合わせた独自のこまが伝えられてきたといいます。

同展では、東北のずぐりゴマ・提灯ゴマ・達磨当たりゴマ、江戸の当てゴマ、伊勢の鳴りゴマ、姫路の鉄輪ゴマ、鳥取の大吉ゴマ、佐世保のけんかゴマなど、地域名の付いた具体的なこまが紹介されており、回し方も「ひねりゴマ」「もみゴマ」「糸ひきゴマ」「投げゴマ」「叩きゴマ」といった複数の系統に分かれていることがわかります。同じ「こまを回す」という行為の中に、驚くほど多様な工夫が積み重ねられてきたことがうかがえます。

出典:日本玩具博物館 企画展「日本のコマ・世界のコマ」

日本ではお正月遊びとして定着

日本では、こまを回す「こま回し」がお正月の遊びとして広く親しまれてきました。ひもをこまに巻きつけて勢いよく投げて回す、手のひらでひねって回すなど、こまの形や地域によってさまざまな回し方があり、単に回すだけでなく、回っているこまをけんかさせるように当てて相手のこまを弾き出す遊び方も親しまれてきたとされています。新年を迎えて時間に余裕のある時期に、大人から子どもへと回し方が受け継がれていったことも、お正月遊びとして定着した理由の一つと考えられます。

ひもを巻いて回した、あの緊張感

こまにひもをきれいに巻きつけられるかどうか、投げたときにうまく回るかどうかは、子どもにとって毎回ドキドキする瞬間だったのではないでしょうか。友達と回すタイミングを合わせて競い合ったり、長く回り続けることを喜んだりした経験は、お正月の風景と結びついた記憶として残っている人も多いはずです。

日本玩具博物館では、企画展の会期中に「コマ回しを楽しむ集い」という体験イベントを毎年1月に開催しています。ひもを巻いて回すという昔ながらの遊び方は、博物館という場を通じて、今の子どもたちにも直接手渡され続けているといえます。

出典:日本玩具博物館 企画展「日本のコマ・世界のコマ」

あわせて読みたい

同じ時代の室内遊びの記憶はベーゴマの遊び方や、すごろくとは?でもあわせて確認できます。ベーゴマは金属製の独楽を使った競技性の高い遊びで、本ページで扱う起源としての「こま」とは別の角度からたどっています。

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出典・注意事項

本ページは、日本玩具博物館の企画展「日本のコマ・世界のコマ」の紹介資料をもとに構成しています。こまの起源については複数の学説があり単一の発祥地を断定できないため、「世界各地で古くから親しまれてきた」という表現を用いています。

ページ内のイメージ画像はAIによるものであり、特定の人物・場所・年代を再現した実際の写真ではありません。