あやとりの記憶|一本の糸で形を作った遊び
公開日:2026年9月4日

※AIによるイメージ画像です
一本の糸を輪にして、指にかけたり外したりしながら、ほうきや橋のような形を作っていく——そんなあやとりに夢中になった記憶はありませんか。
シンプルな道具でありながら世界中に伝わっているこの遊びが、日本でどのように受け継がれてきたのかを、国際あやとり協会などの資料をもとにたどります。
起源は今もはっきりしない、世界中に伝わる遊び
国際あやとり協会(ISFA)によれば、あやとりの起源について「本当のところは何もわかっていません」といいます。
オーストラリア、太平洋諸島、南北アメリカ、極北圏など、文字を持たない社会も含めた世界各地の人々が、それぞれ独自にたくさんの種類のあやとりを伝えてきたことが19世紀末以降の調査でわかっており、単一の起源から世界に広まったのではなく、各地で自然発生した遊びと考えられています。
Wikipediaの解説でも、あやとりは文字の発達以前に縄を結んで意思を伝えた習慣と関連していた形跡があるとされ、一部の地域では子どもの遊びではなく占いの手段として使われていたことも紹介されています。
日本で確認できる最古の記録は、江戸時代の文献
ISFAの考証によれば、日本国内であやとりの存在が確認できる最古の記録は、江戸時代の作家・井原西鶴の小説『諸艶大鑑』にある「糸どり」という記述だといいます。それ以前の時代にあやとりが存在したことを示す証拠資料は、今のところ見つかっていません。
また、江戸時代後期の風俗誌『守貞謾稿』(嘉永六年・1853年ごろ)には、「江戸にてあやとり、京坂にては糸取りと云ふ戯れなり」として、手首に糸をまわし、琴や鼓の形などを作る遊びの様子が記されています。呼び名が江戸と上方で違っていたことも、この記述からわかります。
一人あやとり、二人であやとり
コトバンクの解説によれば、あやとりは1本の糸や紐を輪にして両手にかけ、主に指を使って糸の作る形を変えていく遊びです。ひとりで完結する「一人あやとり」だけでなく、糸の形を相手に渡し合いながら別の形に変えていく「二人あやとり」もあり、両方とも長く親しまれてきました。
QuizKnockのインタビュー記事によれば、日本で「四段ばしご」と呼ばれる形は、イギリスでは「ロンドンブリッジ」、オーストラリアでは「ハーバーブリッジ」と呼ばれているといい、同じ形が国や文化によって別の名前で親しまれていることもわかります。
出典:コトバンク「あやとり」/QuizKnock「実は世界に3000種以上ある『あやとり』40年極めた達人に魅力を聞いた」

家庭や園、学校で、世代を超えて受け継がれてきた
和樂webの記事によれば、あやとりは幼稚園のカリキュラムに取り入れられているところもあるほど、身近な昔遊びの一つとして定着しているといいます。祖父母や親から子へ、園や学校の友達同士で、形の作り方が口伝えで受け継がれてきたのも、あやとりならではの特徴です。特別な道具を必要とせず、一本の糸さえあれば誰かに見せたり教えたりできる手軽さが、世代を超えて受け継がれてきた理由の一つと考えられます。
出典:和樂web(小学館)
3000種以上の形が伝わる、シンプルさゆえの奥深さ
コトバンクの解説によれば、1880年代の調査で、世界に3000種を超えるあやとりが伝承されていることが明らかになったといいます。QuizKnockの記事でも同様に世界で3,000種類以上のあやとりが見つかっていると紹介されており、一本の糸から生まれる形の豊かさがうかがえます。
道具を買い足す必要も、電池を入れ替える必要もない——そんなシンプルさが、あやとりが今も色あせずに記憶に残っている理由の一つなのかもしれません。
出典:コトバンク「あやとり」/QuizKnock「実は世界に3000種以上ある『あやとり』40年極めた達人に魅力を聞いた」
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出典・注意事項
本ページは、国際あやとり協会(ISFA)、コトバンク、QuizKnock、和樂webの記事をもとに構成しています。個別の情報については、各見出しに出典を明記しています。起源については資料の範囲でも断定できていない部分が多く、確認できていない俗説は採用していません。
ページ内のイメージ画像はAIによるものであり、特定の人物・場所・年代を再現した実際の写真ではありません。