百葉箱とは?なぜ学校で見かけなくなったのか、役割と由来を解説

公開日:2026年9月5日

校庭に立つ白い百葉箱のイメージ

※AIによるイメージ画像です

校庭の隅、日当たりのいい場所にぽつんと立っていた、白くて四角い木の箱——百葉箱を覚えていますか。

中に何が入っているのか、なぜ白く塗られているのか、そして最近はなぜあまり見かけなくなったのか。百葉箱の役割と由来を、資料をもとにたどります。

気象観測のための機器を、日射と風雨から守る箱

コトバンクの解説によれば、百葉箱は気温や湿度を観測する温度計などの機器を日射から遮蔽するとともに、雨や雪から保護するための装置です。全面を白色に塗装して太陽の熱をなるべく遮断し、側面や窓を鎧戸(よろい戸)にすることで、屋根以外の面から外気が出入りできるようになっているのが特徴です。中には温度計や湿度計が収められ、正確な気温を測るための工夫が随所に凝らされています。

出典:コトバンク「百葉箱」

校庭に立つ白い百葉箱のイメージ
※当時の雰囲気をもとにAIで作成したイメージ画像です

1954年、理科教育振興法をきっかけに全国の学校へ

公益社団法人日本理科教育振興協会によれば、理科教育の振興のため「理科教育振興法」が1953年(昭和28年)に制定され、1954年(昭和29年)4月1日に施行されました。この法律に基づく省令で理科教育のための設備基準が定められ、これをきっかけに設置費用への補助が行われるようになり、全国の小学校へ百葉箱が急速に普及していったとされています。

出典:公益社団法人 日本理科教育振興協会「理科教育振興法について」

百葉箱の扉を開けて中の温度計を観察する子どものイメージ
※当時の雰囲気をもとにAIで作成したイメージ画像です

「廃止」ではなく、設置義務がなくなったことでの減少

Yahoo!ニュース エキスパートの記事(気象予報士・饒村曜氏)によれば、1992年(平成4年)2月の省令改正で、理科設備の表記が「気象学習用具」という大くくりの表現に変わり、そこから「百葉箱」という具体的な記述が消えたことで、設置は事実上の義務から選択肢の一つへと変わったといいます。理科教育の授業時間が短くなったことや、敷地の狭い学校が増えたことも、撤去が進んだ背景として挙げられています。

気象庁自身についても、農研機構(農業・食品産業技術総合研究機構)の発信によれば、気象官署(気象台や測候所)における観測では1993年に百葉箱の使用が廃止され、代わりに「強制通風筒」という装置で気温を観測するようになったといいます。「廃止」という言葉が使われることもありますが、正確には設置義務がなくなり、観測方法も自動化されていった、というのが実態に近い経緯です。

出典:Yahoo!ニュース エキスパート「気象台や学校で見なくなった気象観測のために露場に置かれた『百葉箱』」(気象予報士・饒村曜)/農研機構(農業・食品産業技術総合研究機構) 農業環境研究部門の発信

今も残る学校では、理科の教材として活躍

百葉箱は現在も、一部の小学校では「気象学習用具」として設置されている場合があります。近年ではIoT技術を使い、センサーで検知した気温を教育用タブレットへ自動送信する仕組みを取り入れる学校も出てきており、白い木箱の姿は減りつつも、その役割そのものは形を変えながら受け継がれているようです。

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同じ学校生活の記憶は昭和の給食でもあわせて確認できます。

同じように校庭から姿を消していったものとしては二宮金次郎像はなぜ学校にあった?でもたどれます。

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  • 百葉箱の中をのぞいたことはありますか?
  • 今の母校に、百葉箱はまだ残っていますか?

出典・注意事項

本ページは、コトバンク、公益社団法人日本理科教育振興協会、Yahoo!ニュース エキスパート(気象予報士・饒村曜氏)、農研機構の発信をもとに構成しています。個別の情報については、各見出しに出典を明記しています。「廃止」という表現は、事実関係を確認できた範囲(設置義務の見直し・観測方法の変化)に沿って慎重に使用しています。省令の具体的な番号は、参照した資料間で記述に食い違いが見られたため、本文には記載していません。

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